現在塗料についてお調べの方や、実際に塗装店やリフォーム店に見積もりを依頼した方など、ご自宅の外壁塗装工事をご検討されている方の中には「ラジカル制御型塗料」という言葉を目にしたという方は多いのではないでしょうか。
「見積もりにラジカル制御型と書いてあるんだけどなんだろう?」という方や、「ラジカル制御型塗料という言葉を初めて聞いた」という方にもわかりやすくラジカル制御型塗料についてこの記事では徹底解説していこうと思います。
塗料選びでお悩みの方には特におすすめの記事となっておりますので、是非最後までお読みください。
コスパよし!ラジカル制御型塗料のメリット
とにかく長持ち 耐候年数12年〜16年
ラジカル制御型塗料の特徴はなんといっても、シリコン塗料とあまり変わらない価格で紫外線に強く塗膜が長持ちするという点があります。
塗膜がどれほどの期間持つかを示す耐候年数は12年から16年とされています。
この数値は外壁塗装に最も使用されているシリコン塗料よりも優れています。
ご自宅にどんな塗料を使うかを決めるには、やはり「何年塗膜が持つのか」という点が一番気になるところではないでしょうか。
塗料の耐候年数が決まる主な要因として、塗料が何の樹脂から作られているのかという事があります。
主に塗料に使われる樹脂はアクリル<ウレタン<シリコン<フッ素の順に耐候性が高くなります。
現在もっとも普及しているシリコン樹脂塗料の場合、耐候年数は8〜12年程度で、その上位グレードに当たるフッ素樹脂塗料は15〜20年程とされております。
その他塗料のおおよその耐候年数は以下のとおりです。
- アクリル樹脂塗料・・・耐候年数3〜5年程度
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とても安価な塗料として昔はよく使われていた塗料です。
しかし耐候年数が短く現在では外壁塗装の塗り替えにはほとんど使われることは無くなりました。
取り壊しが決まっている建物や建売住宅などでは現在も使われる場合があります。 - ウレタン樹脂塗料・・・耐候年数6〜10年程度
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現在主流のシリコン塗料がこれほど普及する前には、よく使われていた塗料です。
今ではひと昔前ほど使われることはありませんが、費用を抑えて塗り替えをされたい方などには選ばれる事があります。 - シリコン樹脂塗料・・・耐候年数8〜12年程度
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現在の外壁塗装工事で最も使用されている塗料になります。
アクリル、ウレタンに比べ高耐候でコストパフォーマンスの高い塗料です。
シリコン塗料は親水性に優れ、外壁に汚れがつきにくいといった特徴があります。 - ラジカル制御型塗料・・・耐候年数12〜16年
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シリコン塗料とそれほど変わらない価格帯で高価なフッ素塗料にも迫る耐候性を持つ塗料です。
開発技術の向上によって近年開発された比較的新しい塗料ですが、そのコストパフォーマンスの高さからここ数年では多くのお施主様に選ばれております。 - フッ素樹脂塗料・・・耐候年数15〜20年
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非常に高い耐候性から、高層ビルや大型マンション等頻繁に塗り替えができない建物などによく使用されます。
しかし塗膜が硬く割れやすい事や価格が高いといったデメリットもあります。
光沢が長年持続しチョーキングを起こしづらい
塗料メーカー日本ペイントが販売している「パーフェクトトップ」は2500時間に及ぶ耐候性試験で光沢保持率が80%であった試験結果が公開されています。
また、チョーキング現象を引き起こす原因である「ラジカル」の発生を抑える働きがある為、チョーキンングが起きずらい塗料となっております。
防汚・防カビ・防藻効果が高く、汚れがつきにくい
ラジカル制御型塗料は親水性に優れ、防汚・防カビ・防藻効果が非常に高い事が特徴の一つです。
塗膜の劣化が起こりずらいことに加え、外壁表面に汚れがつきにくい事はとても大きなメリットと言えるでしょう。
そもそも、ラジカル制御って何?
ここまでお読みいただいてラジカル制御型塗料がなぜ人気なのか、お分かりになっていただけたのではないでしょうか。
従来から人気のシリコン塗料とそれほど変わらない価格帯で、フッ素にも迫る耐候性をもつラジカル制御型塗料ですが、そもそもラジカル制御とは何かについて、ここから詳しく解説いたします。
ラジカルとは?
ラジカルとは塗料に含まれる顔料や樹脂といった有機物を劣化させるエネルギーで、塗料に含まれる酸化チタン(白色顔料)に紫外線が当たる事で発生します。
これは非常に厄介でラジカルが発生すると塗膜の劣化が進みチョーキングなどの症状を引き起こします。
ラジカルの発生を制御する仕組み
ここまでで「ラジカル」とは塗膜を劣化させる有害なエネルギーである事はお分かり頂けたかと思います。
では、なぜラジカル制御型塗料は「ラジカル」の発生を抑え塗膜の劣化を遅らせる事ができるのかについて簡単にご説明いたします。
酸化チタンに紫外線があたる事で発生してしまう「ラジカル」ですが、酸化チタン表面にバリアー層を持たせた「ラジカル制御型酸化チタン」を原料とする事で発生したラジカルを酸化チタン表面から外へ漏れ出さないような仕組みになっています。
さらに、原料として光安定剤(HALS)といった添加剤を加える事で、何らかのきっかけでラジカル制御型酸化チタンの表面からラジカルが漏れ出してしまっても光安定剤(HALS)の働きによって漏れ出したラジカルを吸着し捕まえる効果があります。
このような最新の技術を用いて塗料が製造されている事でラジカル制御型塗料は非常に耐候性に優れた長持ちする塗料となっております。
ラジカル制御型塗料のデメリット
耐候性に優れコストパフォーマンスの高いラジカル制御型塗料ですが、いくつか注意点やデメリットについてご説明いたします。
製品発売から10年ほどしか経っていない
初めてラジカル制御型塗料が発売されたのが2012年に日本ペイントから発売されたパーフェクトトップになります。
それ以降、各メーカーから様々なラジカル制御型塗料が発売され、各メーカーの実証実験でその高い耐候性能が証明されておりますが、実際に工事現場で使用された歴史が浅いという点をデメリットと感じる方はいらっしゃると思います。
ラジカル制御型塗料では濃色を作れない
ラジカル制御型酸化チタン(白色顔料)を主成分としている為、濃色を作り出す事は難しいです。
そもそも酸化チタン(白色顔料)を使用しない濃色塗料の場合にはラジカルが発生する事はありません。
また、濃色塗料は白やクリーム色のような淡彩色塗料に比べ当然太陽熱や紫外線の影響を受けやすい為、濃色で塗り替えたい場合はラジカル制御型塗料ではなく、シリコン塗料やフッ素塗料の中から耐候性能の高い塗料を選択する事が重要となります。
まとめ
ここまでラジカル制御型塗料についてご説明させていただきました。
2012年に初めて発売された比較的新しい塗料で、最新技術が使用され塗膜の劣化を抑える効果に優れた特徴があります。
また、施工にかかる費用は従来型のシリコン塗料と同程度の価格帯で、塗り替え周期はフッ素塗料なみである事からコストパフォーマンスといった点においてもとても優れた人気の高い塗料と言えるでしょう。
しかし、発売開始から10年程度しか経っておらず、施工実績のない業者も多く存在します。
当然ですがどんなにいい塗料を使用しても、技術を持った職人が正しい施工法で塗装しなければ塗料本来の効果を発揮する事はできません。
外壁塗装をご検討中の方は国家資格を持った経験豊富な地元の塗装専門店にご相談されてみてはいかがでしょうか。
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